台風16号によるフィリピンの豪雨被害で、国家災害対策本部は29日、死者が240人に達したことを明らかにした。行方不明者は37人。家屋倒壊などにより、37万人以上が避難しており、政府は食料などの配給を進めている。

 マニラ首都圏と周辺地域で、家屋3200戸以上が全半壊。がれきやごみが散乱している地域もあり、政府当局者は衛生状態の悪化に注意を呼び掛けた。避難する市民の増加により、配給物資の不足も懸念されている。

 同本部は、道路などインフラや農地の被害総額を約23億ペソ(約44億円)と試算。一部地域で停電が継続、上下水道の復旧も遅れている。

 アロヨ大統領は、政府の対応能力を強調しているが、市民の間では治水の不備や救援活動の遅れに対する不満が高まっている。

2009/09/29 10:47



熱帯低気圧による豪雨で洪水が起きたフィリピンの首都マニラで、水を押し分けて走るバス。今回の洪水は過去20年で最悪で、死者も出ているもようという(26日) 




フィリピンの首都マニラは26日、熱帯低気圧の影響による豪雨に見舞われ、市街地が冠水するなどの被害が出た。気象当局によれば、洪水の規模は過去20年で最悪で、死者も出ているもようだ。
 アロヨ大統領はマニラのほか20州以上が災害状態にあると宣言。AFP通信によれば、1800人以上が避難した。