火曜日の夜に転覆したボートの乗客が水中で、もがく様子を見過ごす事も出来たはずだった。しかし彼らは出来るだけ多くの人が溺れる事から救い出す為に、飛び込むことを決めた。リチャード・セランテスさんとラルギーさんの兄弟は、パシッグ川の暗く淀んだ水の中に入るのを最後に目撃された後、行方が判らなくなっている。バランガイ当局者らは2人の生存を絶望視しているが、沿岸警備隊は2人の捜索を継続している。バランガイ議長のデ・レオン氏はインクワイラー紙に対して、火曜日の午後7時半頃、モーターバンカー船が突然、バランスを崩したとした。転覆時に船に乗っていた12人のうちの1人、デリア・カノノイさん、50歳によると、船がマカティ市ウェスト・レンボのゼロ・ブロック船着き場に到着した時、乗客らが降りる為に突然立ち上がったという。この突然の体重移動により、ボートが傾き、他の乗客を水中に投げ出したと、救出作業にあたったマカティ市消防局のトラディオ・オペレーション主任が明らかにした。川沿いの小屋にいた22歳のラルギーさんは、乗客の叫び声に気づき、いとこの1人が船に乗っていたと思って川に飛び込んだ。兄のリチャードさん、29歳も続いて飛び込んだという。ラルギーさんは、2人の乗客を助けたところで、リチャードさんが川の中で水草に足をとられ、浮上しようともがいているのに気づいたと、おばのデイジー・リコイコさんが住民の話として明らかにした。ラルギーさんは兄を助けようとしたとみられるが、2人は水の中に消えたと住民は話している


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